「ブランズ東雲」は敷地内に中庭を配し、日常の生活に四季の風や移ろいを感じられる工夫がなされている。緑豊かな中庭は、心理的な癒し効果・住民同士によるコミュニティ形成など様々な効果をもたらすことであろう。さらに、緑化に加えて床材に保水性ブロックを配することで、気化熱による夏季の温度上昇を抑制する効果が期待される。植栽への灌水には雨水を利用しており、水の循環利用にも取り組むなど、積極的な環境保全の取組みがなされていることは高く評価できる。
また、シンボルツリーを中心とした植栽計画と、小鳥を呼び込むしかけのバードバスや巣箱の設置は、鳥や虫など都市に休憩の場を求める生物の活動空間を拡げる助けとなり、生物多様性保全に配慮した計画であるといえよう。