挑戦する人 土手弥生さん

東急不動産と挑戦するDNA

DATE 2024.09.13

  • #人財
  • #組織風土
  • #キャリア

東急不動産は、社員に対し事業プロデューサーとして高い視座と広い視野を獲得することや、一人ひとりの「挑戦」と「自律」を支援するために、人事制度改定をはじめ、さまざまな環境整備を進めています。そんな中で社員の皆さんはどのようなキャリアを思い描き、仕事に打ち込んでいるのでしょうか。昨年度反響の大きかった本企画。今年度は、キャリア入社された方にフォーカスを当て、これまでの経験を活かしたキャリア形成、そして外から見た当社について語っていただきました。

弁護士×不動産会社=異なる環境や立場でも
「誰かの力に」

法務部 法務G
土手 弥生 さん

PROFILE

当社入社前
大学卒業後に司法書士として勤務、法科大学院を経て弁護士として法律事務所勤務
2013年5月
入社 総務部 法務・コンプライアンスG
2017年4月~
法務部 法務G
2021年4月~
法務部 法務GB グループリーダー

現在の主な担当業務

  • 東急不動産ホールディングスグループ各社および当社内の法律に関する相談への対応
  • 東急不動産ホールディングスグループ各社の各種法務リスク案件対応、当社の訴訟対応・支援
  • 法務関連の社内研修会の開催

01.「企業内弁護士」としてプロジェクト内の課題を解決へ導く

企業に社員として所属し、自社の法務リスク対応や社員が抱える法務上の問題解決を支える企業内弁護士。当社では法務部所属の8人の社内弁護士が活躍しています。その法律のプロ集団をけん引する一人が、法務グループリーダーの土手さん。
年間2,000件を超える相談に丹念に向き合い、解決に向けて伴走しています。

「企業の内側にいるからこそ、外からは窺い知れない事業の全体像をつぶさに把握しながら案件に携わることができる。社内弁護士の仕事の大きな魅力です」

ハイリスクな訴訟や複雑な案件を担うことも少なくありませんが、事業部や関係者と一丸で取り組み、望ましい結果を得ることができた時の達成感と事業部の方々から頂戴する「ありがとう」という言葉は、何物にも代えられないと言います。

「他にも新規の当社施設など、自分が開業までのプロセスに携わった案件がオープンした時は充実感もひとしお。純粋に、当社の一社員として喜びを感じる瞬間ですね」

02.法律家として活躍する中で芽生えた次のステージへの思い

土手さんの原点は、大学時代に学んだ民法※でした。

「日常生活のあらゆるところに存在し、社会を支えているのが民法。その面白さに魅せられました」

法律の専門家として、誰かを手助けできる存在になりたい—そう考えた土手さんが最初に取得した資格は司法書士でした。大卒後に司法書士として勤務した後、一念発起してさらなるステップアップ=司法試験に挑戦。法科大学院を経て見事に一発合格を果たします。弁護士になって最初に就職した法律事務所で法律家としての足腰をさらに鍛えていきました。

弁護士として成長を続ける日々の中で、土手さんの心中に次のステージへの強い思いが芽生えます。そんな時、知人が勤めている不動産デベロッパーの話を耳にして、その会社に強い興味が湧きました。

「二つの国家資格や業務経験を最大に活かせる場所で自分の力を試してみたい、と気持ちが外へと向いていた時でした」
その不動産デベロッパーこそ、東急不動産でした。

  • 民法:「私人」間の関係を規律する法律の中で、日常的な取引や金融取引、その他の各種契約や財産など事業活動の基本となる法律

03.新たな挑戦で得た理想的な職場

2013年に当社へ転職。入社早々に担当したのは、多くの地権者や借地人が関わる土地の買収案件の権利関係が複雑に絡み合う難易度の高いミッションでしたが、事業部と共に日夜論点整理を繰り返し、不動産デベロッパーの仕事のダイナミズムを会得しました。
当社こそ、思い描いていた理想的な職場——やりがいに溢れた仕事と周囲からの厚い信頼を得て、土手さんはそう確信します。

「例えばウェルネス事業ユニットが手掛ける高齢者施設に関する案件や住宅事業ユニット・ウェルネス事業ユニットともに取り扱うコンドミニアム案件は、初めて携わる分野でした。未知の分野にキャッチアップしながら取り組むのは容易ではありませんが、とても刺激的で充実感があります」

数々の案件で辣腕を発揮し、事業を支える法務のエキスパートとしての地位を確立していく土手さんにはその後、さらなる活躍の場が待っていました。

04.メンターを経てリーダーへメンバーの成長が新たな喜びに

入社から7年ほど経った頃、土手さんは法務グループメンバーのメンターを担当し、案件のサポートに留まらず2~3週に1度の1on1を実施。メンティーと共に自らも成長する実感を得られたことが、今に至る管理職としてのキャリアを考える契機になりました。

「20代の時に抱いた『弁護士として誰かを手助けしたい』という思いと、管理職としてメンバーの成長を支えることは『誰かの力になる』という点が根底で繋がっている。そのことに気づいたんです」

2021年からはグループリーダーに就任し、管理職として人材育成にも力を注いでいます。社内弁護士の人員が拡大する中で業務の解説動画を作成するなど、社歴の浅いメンバーが迅速に業務習得できるような工夫に取り組みました。

「新規事業が目覚ましく発展する中、各ユニットやグループ各社に共通した課題の解決に向けて情報共有・連携する仕組みを構築する重要性が増しています。今後は法務グループとして、各ユニット間やグループ会社間の垣根を超えた情報共有・連携の強化に貢献していきたいです」

弁護士としての高度な専門性と、管理職としての高い視座を兼ね備えた存在を目指して、土手さんは歩み続けています。

外から見た東急不動産

先に当社で働いていた方のお話から「東急不動産はジェントルでソフトな不動産会社」というイメージがありまして(笑)、実際に入社してみると、まさにイメージ通りで、すごく安心したことを覚えています。周囲に会社や事業のことを親切に教えてくれる方が多くてありがたかったですね。温かくソフトな社風は、ずっと変わっていないと思います。

仕事の必須アイテム

「弁護士としての原点」の写真

弁護士としてのキャリアのスタートの地である横浜地方裁判所の外観写真。私がグループリーダーに就任した年に入社した菰田ちひろさんが、訴訟対応業務で一緒に横浜地方裁判所に行った時に撮ってくれたもので、PCのデスクトップの背景にしています。時間に追われてしまう日々の中、この写真は「私はなぜこの仕事をしているのか」「管理職としてどうあるべきか」を駆け出しの頃の初心とともに思い出させてくれます。

これが私の仕事の流儀

徹底して「事実」に基づいた議論・検討を行うことです。相談者の方々のお話に耳を傾けながら私自身が明確にその場面を映像として思い描くことができて、事実関係に腹落ちできるかどうか、を重視しています。
もう一つは仕事と家庭を両立するために、あえて「自分を追い込まない」ということ。家事と仕事の全てに完璧を目指してしまうとしんどくなるので、家事については適度に力を抜いています。また、率先してフレックスや在宅勤務といった制度を利用しています。