100%グリーンエネルギーを使用!
物流施設の常識を変える「LOGI’Q南茨木」
課題を解決するまちづくりプロジェクトノート
DATE 2024.04.26
東急不動産の物流施設「LOGI’Q(ロジック)」シリーズ。2022年に、より環境にやさしく、物流をスムーズにできる新しい物流施設を目指して、ブランドリニューアルしました。その象徴的な施設として2024年1月、大阪府茨木市に竣工したのが「LOGI’Q南茨木」。
物流施設なのに駅チカ、LOGI’Qシリーズ最大規模の大型マルチテナント型、さらに、働きやすさを追求した従業員の方への設備、地域住民の方への配慮など、数多くの特徴を備えた「LOGI’Q南茨木」の内部を紹介します。
「LOGI’Q南茨木」とは
名神高速道路・中国自動車道「吹田IC」から2km、近畿自動車道「摂津北IC」から3kmと、京阪神の主要都市を配送エリアとしてカバーする物流施設。
1時間当たりの配送可能人口は1370万人と、関西圏でもトップクラスの好立地。また、物流施設としてはめずらしく、JR京都線「千里丘」駅から徒歩9分の立地にあります。
PROFILE
大原 雄史
インフラ・インダストリー事業ユニット
インダストリー事業本部
開発企画部
PROFILE
藪 真孟
戦略事業ユニット
インフラ・インダストリー事業本部
インダストリー事業部※2024年3月時点
施設の電力にはグリーンエネルギー100%!環境負荷を軽減
「LOGI’Q南茨木」の特徴的な環境への取り組みは、建物の屋上で行う太陽光発電による電力を使用している所です。2㎡のパネルを約9,000枚敷き、定格容量は4.8MWになる見込みです。施設の屋上で行う当社の太陽光発電施設としては過去最大。
夜間など発電をしない時は、当社の発電所からグリーンエネルギーを供給することで、使用電力の100%グリーン化を実現しました。環境負荷を軽減し、脱炭素社会を目指すテナントさまを支援する取り組みでもあります。
オフィスや商業施設と比べて物流施設はコストが重視される傾向にあるのですが、サステナビリティへの感度が高い企業の荷物を取り扱う会社さまは、環境負荷の低い施設を希望されることが多い傾向があります。
テナントさまもゼネコンさまも、環境配慮への意識が非常に高まっていると感じます。
最大級の規模を活かし、テナントさまのニーズに柔軟に対応
物流施設には設備の整った小規模倉庫が少ないという業界の現状を踏まえ、西側倉庫では最小375坪の区画で全階分割対応しました。東側には効率的な入出作業ができ、低床の区画もあり、こちらは飲料系のテナントさまと契約が決まっています。
また3,4階の一部区画には、作業用空調を設置し、テナントさまのコスト負担軽減につながっています。現地を内覧されたお客様から「こんな倉庫は、なかなかない」とありがたい言葉もいただいております。
カフェテリアに礼拝室、働く人の満足度の向上を目指す
テナントさまがリラックスできる働きやすい環境を整備することで、労働環境への満足度向上や就業定着率の改善を目指しています。
「LOGI’Q南茨木」の所在している茨木市は北部には野山があり、南部には住宅地が広がっています。その立地に合わせ、北側のカフェテリアでは木材をふんだんに使い、南側は東急不動産のホームタウンである渋谷を思わせる都会的なデザインにしています。
礼拝室も、多国籍の方が働く物流施設にこそニーズがあると考え取り入れました。
その他、シャワールームやWi-Fiも完備、オフィスビルや商業施設で培った当社の知見を活かしてよりハイグレードな空間に仕上げ、一つひとつの設備に意味を持たせていくことで差別化を図っていきます。
物流施設でありながらも地域の方の安らぎの場所となれるように
LOGI’Q南茨木は駅から徒歩圏と通勤に便利な立地にあります。
働く人にとっては快適な一方で、住宅地に位置する物流施設は、交通量増加や終日稼働の点で周辺住民から嫌悪とされる事例もあります。地域との共生を目指す本物件では、ランプの遮蔽による防音及び遮光、道路提供による歩道の拡幅(周辺住民の方からお礼のメールもいただきました!)に加え、災害時の施設一部開放による地域の防災拠点化を行いました。
また、屋根上で発電された電力は、通常時には近隣の当社商業施設「みのおキューズモール」へ自己託送していますが、大規模災害時には施設内に設置された蓄電池から電気を供給する仕様となっています。
環境負荷軽減策にとどまらず、地域の方々の安らぎの場所になれることを願っています。
コラム
物流施設「LOGI’Q」シリーズ、ブランドリニューアル
2017年に立ち上がり、“Deliver future and smiles.”のコンセプトで展開してきたブランド「LOGI’Q(ロジック)」シリーズ。発足から7年が経過した2022年に、めまぐるしく変化する時代に合わせ、環境に配慮した次世代の物流施設を実現するためにブランドリニューアルを実施しました。
新たなコンセプトは、“NEXT GREEN LOGISTICS”。「人、モノ、自然を、次につなぐ。」というステートメントのもと、使用電力の100%グリーン化、物流のスマート化を推進し、人にも環境にも優しい物流施設を追求します。
東急不動産ホールディングスグループは、2015年に国連サミットで採択された2030年までの「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献しています。持続可能な世界を実現するための17の目標のうち、取り組む項目を定め、SDGsを起点にサステナブルな社会と成長をめざします。本プロジェクトにおいては、上記の目標の達成に寄与するものと考えます。