衣料品を捨てずに次へ繋ぐ
身近でサステナブルな取り組み

東急不動産が描く環境先進ストーリー

DATE 2025.04.11

東急不動産ホールディングス株式会社は、グループが展開・管理する68施設で、衣料品・雑貨品の回収サービス「R-LOOP(アールループ)」を開始しました。「R-LOOP」とは、不要になった衣料品や雑貨を回収ボックスに入れるだけで、リユース・リサイクルにつながり、手軽に環境貢献活動へ参加できる仕組みです。
東急不動産の分譲マンション「BRANZ(ブランズ)」のマンションギャラリーでも、「R-LOOP」の仕組みを取り入れたリサイクルがスタートしています。

PROFILE

堀口 駿太朗

東急不動産ホールディングス
グループサステナビリティ推進部 企画推進室

衣料品・雑貨品の回収サービス「R-LOOP」とは?

「R-LOOP」は、株式会社BPLabとブックオフコーポレーション株式会社が共同で展開している、循環型衣料品・雑貨品回収サービスです。回収ボックスを通して、要らなくなったものを必要なものへ変えていく、循環型生活の実現を目指して誕生しました。

R-LOOPについて詳しく見る:https://www.rloop.jp/

資源を無駄なく使う、「循環型社会」への重要な一歩

東急不動産ホールディングスグループでは、環境への取り組みとして、「脱炭素社会」、「循環型社会」、「生物多様性」といった三つの環境重点課題を掲げ、様々な取組みを実施しています。今回の取組みはその中でも「循環型社会」の分野を強化する活動です。ごみを減らし、限りある資源を大切に使い、無駄なく循環させる社会を目指しています。

「R-LOOP」のサービスは、グループ全体のさまざまな事業と連携できる可能性があり、日常生活の中で身近で受け入れられやすい環境施策として、導入に至りました。
サービスに対して、「便利」や「使いやすい」と思っていただいたうえで、その先にサービスが環境貢献に繋がっていることを知ってもらうような取組みを目指しています。

BRANZマンションギャラリーでも取り組みがスタート!

“環境先進マンション”をコンセプトとした分譲マンション「BRANZ」では、サステナブルの思想のもと環境を将来へ持続させる地球にやさしい上質な住まいをつくりあげています。

そんなBRANZのマンションギャラリーでは、毎月2,000足以上のお客さま用スリッパが廃棄されるという課題があり、2023年11月から、使用済スリッパをリサイクルする仕組みを導入しています。
今回、株式会社BPLabとの連携により、さらにこの取り組みを拡大し、お客さまが資源の循環をより実感できるようなサービスが始まりました。

廃棄していたスリッパがエコバッグに生まれ変わる!

お客さまが使用したスリッパから繊維を再生し、その繊維でBRANZオリジナルの特製エコバッグを作っています。出来上がったエコバックは、マンションの引き渡し前に行われる内覧会でご契約者さまにプレゼントされ、コミュニケーションツールとして活用されています。
100%リサイクルで、資源を無駄なく使うだけでなく、お客さまに資源循環を分かりやすく実感いただく取り組みです。

実は、100%リサイクルは難しい

回収サービスの分野においては、トレーサビリティの確保が難しく、回収物が海外に送られて埋められてしまう等、グレーゾーンの取り組みが存在しているのも現状です。
そんな中、私たちが導入している「R-LOOP」は、回収した衣料品について100%リサイクルの証明ができることを一番の特徴としています。これは、繊維レベルで100%のリサイクルできるスキームを持つ株式会社BPLabと手を組むことで実現しました。

  • 投函された回収物について、その後の流れ(誰の手に渡るか、どう処理されるか)を追跡する仕組み

グループでの取り組みで回収された衣料品、雑貨品はなんと3,386kg!

2024年11月には、東急不動産ホールディングスグループで保有、管理するオフィス40施設とマンション24施設で、不要となった衣料品、雑貨品の回収を開始しました。開始2ヶ月での回収量はなんと約3,386kgに。そのうち衣料品2,595kgの100%がリサイクルされています。(※2024年11月時点での施設数)

その他にも、東急リゾーツ&ステイが運営する東急スノーリゾートの各スキー場における環境への取り組み「サステナビリティ for Snow」活動の一環として、不要となった衣類や雑貨を回収する取り組みを実施しました。
雪山という過酷な環境で使用されることから軽微な損傷や撥水性能の低下で買い換えられることが多いスキー用品に対して、「まだ雪山以外のタウンユースには十分耐えられるのに…」と感じていた担当者との会話がきっかけで取組みが始まりました。

回収品を捨てずに繋げる「R-LOOP」の仕組み

リサイクル

繊維製品は、株式会社BPLabが契約するリサイクル処理事業所にて再資源化されます。リサイクルされた品目は100品目以上。Tシャツやタオルなどの繊維製品をはじめ、ポリエステルのバッグなどに生まれ変わっています。

<実績>
リサイクル量(年間) 9,000トン
分別品目 280種類以上
1日の分別量 40トン

リユース

雑貨品は、ブックオフの全国6拠点で126品目の分別を手作業で行っています。

ブックオフがマレーシアやカザフスタンで展開している海外リユース店舗「Jalan Jalan Japan」では、日本ではリユースが難しい商品でも、ブックオフが直接運営し、信頼が高い「Used in Japan」ブランドで現地のお客さまへ渡っています。
「Jalan Jalan Japan」の事業によって、500人以上の現地雇用が生まれ、また孤児院への支援や慈善団体への寄付等による社会貢献活動にも役立っています。さらに、リユースにつなげた量(kg)×1円を社会・環境問題の解決に取り組む団体への寄付も行っています。

<実績>
リユース量(年間) 3,688トン
利用客数(年間) 1,707千人
リユース販売率 95%

参加型の循環型社会を目指して

東急不動産ホールディングスグループは長期ビジョン「GROUP VISION 2030」の全社方針として「環境経営」を掲げ、「脱炭素社会」「循環型社会」「生物多様性」に取り組んでいます。グループの中核企業である東急不動産においても同じく、環境先進企業を目指して「R-LOOP」の取り組みを積極的に進めています。
お客さま参加型の循環型社会に向けた活動の1つとして、今後も「R-LOOP」の設置場所をオフィスやマンションだけでなく、商業施設などにも広げていく予定です。

  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 12 つくる責任 つかう責任
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

東急不動産ホールディングスグループは、2015年に国連サミットで採択された2030年までの「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献しています。持続可能な世界を実現するための17の目標のうち、取り組む項目を定め、SDGsを起点にサステナブルな社会と成長をめざします。本プロジェクトにおいては、上記の目標の達成に寄与するものと考えます。