“再生可能エネルギー×地域共生”の
フラッグシップ拠点「TENOHA松前」オープン

環境先進STORY

DATE 2024.09.20

  • #サステナビリティ
  • #再生可能エネルギー

東急不動産が風力発電事業に取り組んでいる北海道松前町に、地域共生型施設の「TENOHA松前」がオープンしました。全国に展開するテノハの由来は“手のひら”と“葉”の造語。施設を大きな木、新しいライフスタイルをたくさんの葉として、ものを創り出す手と手が、重なり合う葉のように広がり、新しい時代に向けてヒト・モノ・コトが育っていく場所であることを表しています。
今回はそんな「TENOHA松前」を取り上げ、施設内容や地域活性に向けた取り組みを紹介していきます。

PROFILE

関口 冬樹

インフラ・インダストリー事業ユニット
環境エネルギー事業本部 環境エネルギー事業第一部
松前事業グループ グループリーダー

PROFILE

布目 海大

インフラ・インダストリー事業ユニット
環境エネルギー事業本部 環境エネルギー事業第一部
松前事業グループ

地域に根ざし、町の一員として課題に取り組んだプロジェクト

TENOHAは地域の課題解決や活性化を目的に、サーキュラーエコノミーを推進する「TENOHA代官山」以外は、その多くが東急不動産の再生可能エネルギー事業地の近隣やリゾート事業地に展開しています。かつて学校だった建物をビジネスや学びの拠点とした「TENOHA能代」、太陽光発電の実証実験を推進する「TENOHA東松山」や、地域連携および環境取り組み発信の拠点として7月にオープンした「TENOHA蓼科」を含めた現在6施設で地域課題と向き合う活動を行っています。

TENOHA松前内のボード

当社がまちづくりを行う事業地は、都市圏やリゾート地など、たくさんの人が集まる場所が多くを占めますが、再生エネルギー事業の適地となるのは、広い土地や強い風が吹くといった地域特性があるエリアです。そうした地域は、人口減少や高齢化に伴う産業の衰退などの課題を抱えていることが多く、江戸時代には交易や漁業で栄えた松前町も例にもれず過疎化が進んでいます。

TENOHA松前のプロジェクトメンバーは、こうした状況を改善して町の活性化を図っていくため、実際に現地で生活を営みながら問題にあたりました。
風力発電事業の推進はもちろんのこと、より良いまちづくりのために、町の皆さんとの交流を通し、地域の魅力や課題を“松前町の住民のひとり”という視点で捉えていたいという思いがありました。

地域の方や観光客が集うにぎわいの場が完成!

TENOHA松前は、北側には北海道唯一の日本式城郭である松前城を、南側には津軽海峡を望む海への眺望が広がる場所にあります。
江戸時代に北海道唯一の城下町として人が集まり、交易や漁業で栄えていた松前町らしい周辺の街並みとの調和を大事にし、緑を感じながら心地よく過ごせる空間づくりを目指しました。

ここから地域の課題を解決していく他、厳しい気象環境下(強風、塩害、積雪)での風力、太陽光発電機器の実証拠点としての役割も担います。

松前産の杉材を中心に、道南材を活用
家印のようにあしらったTENOHAマーク

施設内にはバスの待合所と休憩所を兼ねたラウンジがあります。隣接する松城バス待合所の老朽化が課題となっていたことから、バス待合機能を1階に取り込みました。町内の中高校生、役場職員と協力し、新たにバスの運行接近状況を伝えるサイネージも導入したことで、利用者の快適性の向上も叶えています。

また、地域の方や観光で訪れた方、ビジネスマンが滞在できるコワーキングスペースも設置。
今後、このスペースを利用し、さまざまなイベントを企画して松前町の魅力発信を行って行く予定です。

桜のアクセサリーづくり体験ワークショップの様子

新しい建物が少ない町に誕生したTENOHA松前には、Wi-Fiを求める子どもたちや、ゆっくりと腰かけておしゃべりをする高齢者の方々など、幅広い年齢層の人たちが訪れてくれています。

緑に彩られたコワーキングスペース
バスの待合室は気軽に人々が集えるコミュニティースペースとしても活用

さらに、ここ松前はNPO法人地域交流センターより「まちの駅※」の認定を受け、近隣の「道の駅 北前船 松前」との機能補完できる施設になっています。
※地域住民や来訪者が求める地域情報を提供する機能を備え、人と人の出会いと交流を促進する空間施設

特に一般社団法人北海道まつまえ観光物産協会のサテライト拠点として、町内物産品のPR催事を行う場所、ガイドツアーや体験観光ツアーの案内所としての活用を行ったり、松前町就職サポートセンターのサテライトオフィスを設置し、町内での就職相談窓口機能も担います。

当社のプロジェクトメンバーが働く事務所も同施設内に移転しており、地域の方々とメンバーが、より気軽に交流できるようにもなりました。

町の小学生の手形で松前町が誇る桜を表現した作品も

TENOHA松前は、メインストリートと国道につながる、地域の中心のような場所に位置している立地から、今後人の交わりを生むことでもっと活気づいていくのではないかと思っています。

「地域共生、環境先進企業といえば東急不動産」といわれるように

風車の足下に建設された「リエネウインドファーム松前」

サステナビリティの意識が高まっていく中で、これからも地域課題に向き合い、「地域共生」「環境先進」といえば、TENOHAや東急不動産を思い浮かべてもらえるような存在になっていければと思います。
今後も、再生可能エネルギーの成長とともに、再生可能エネルギーをベースとした地域社会へのソリューション提供を図っていきます。

担当の関口さんと布目さん
  • 7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 11 住み続けられる まちづくりを

東急不動産ホールディングスグループは、2015年に国連サミットで採択された2030年までの「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献しています。持続可能な世界を実現するための17の目標のうち、取り組む項目を定め、SDGsを起点にサステナブルな社会と成長をめざします。本プロジェクトにおいては、上記の目標の達成に寄与するものと考えます。