建替え方法について
意思決定については、任意の全員同意、または区分所有法に定める建替え決議によるかなど、マンションの規模や区分所有者の意識によって適した方法が異なります。
等価交換事業
等価交換契約にもとづいてデベロッパーに土地所有権を移転し、事業の全てを任せる方法。信頼あるデベロッパーをパートナーとして選べば、手間がかかりません。
マンション建替え円滑化法を利用
法律に従いつつ行政の関与を受けながら、区分所有者の意思決定に基づいて、安心して事業に参加できます。 現在は建替え決議を行い、円滑化法に従い組合を設立して信頼あるデベロッパーをパートナーとして選ぶ方法が主流になりつつあります。
マンションの建替えの円滑化等に関する法律とは
2002年(平成14年)より施行されている、マンションの建替えを円滑にするための手続を定めた事業法です。同法を活用するメリットとしては、マンションの建替えを行う団体に法人格が与えられること、また権利変換手法により関係者の権利を安定的に再建後の建物に移行させられることなどにあり、工事契約の締結や合意形成をスムーズに行えることが期待できます。
建替えのフロー
ここでは、マンション建替え円滑化法に基づいて、マンション建替え事業に関する基本的なフローを下記にまとめました。
※自治体の指導などにより上記のフローは前後する場合がございます。
居住者の合意形成段階
1. 建替えを検討
マンションの老朽化や、居住環境への不満、耐震性への不安などを背景に、建替えについて、有志による勉強会、情報収集などを行います。
2. 管理組合で提案、具体的に検討スタート
管理組合総会により、建替え検討について発議・提案。「建替え委員会」などを設立し、具体的な検討に着手します。
3. パートナー選び
「建替え委員会」などによる、建替えに関する要望の再調査、パートナー(専門家)の選定。パートナーによる説明会、建替えの実績、提示されたプランなど、建替え・大規模改修にするかの検討も踏まえつつ、総合的に判断します。
4. 建替え推進決議
建替え計画を推進することへの合意に向けて、管理組合総会にて決議をとります。合意が得られた場合には、具体的な建替え計画の策定に入ります。
5. 建替え計画策定
関係者へのヒアリング、意見交換、関連自治体・官庁との協議、各種申請、周辺住民への理解を求めるための説明などを行い、最終的な建替え計画をまとめます。
6. 建替え決議
新しいマンションの建物計画概要、建替え事業に際しての費用の負担方法、また新しいマンションの住戸選定方法などを管理組合総会による「建替え決議」で組合員及び議決権の5分の4以上の賛成を得て決議します。
権利変換段階
7. マンション建替組合の設立
マンション建替え決議に合意した人は、その4分の3以上の同意を得た後、法人格を有するマンション建替組合を設立することができます。
8. 建替え不参加者への売り渡し請求
マンション建替組合は、建替えに参加しない方から区分所有権等の買取りをすることができます。また、同組合は高齢者などに対する代替住宅の確保に努めることになっています。
9. 権利の変換
権利の変換とは、既存マンションから新しいマンションに権利が置き換えられることを意味し、抵当権・借家権などを新しいマンションに移行させるための各種手続きをとります。権利変換計画は、マンション建替組合の総会で決議し、組合員及び議決権の5分の4以上の賛成と関係権利者の同意を得る必要がございます。
10. 計画不同意者への売り渡し請求
「9.権利変換」の処分以前に、権利変換計画に不賛成者からマンション建替組合が、権利を買い取ることができます。
工事段階
11. 工事実施計画の検討・確定
実際の工事内容を検討し確定した段階で、建築確認などの申請を行います。工事着工前に、工事請負契約を締結します。
12. 新マンションの着工・竣工
建物の除却解体工事を行い、新しいマンションの建設工事に着手します。新マンション完成後、建物の登記を一括処理します。
マンション完成段階
13. 再入居・新管理組合の設立
新しいマンションの新管理規約などを作成します。新マンションに入居後、新管理組合が結成され、新しいマンションの運営が始まります。